読書する習慣を身につけると、良いことがたくさんあります。
本から得た知識が、問題解決のヒントをくれたり、新しい挑戦をサポートしてくれるからです。
しかし、本を読む人は年々減っています。電子書籍が普及した現代ですら右肩下がりの状態です。
スマホゲームやSNS、動画コンテンツなどが普及したことで、読書に割く時間が減っているのだと思います。
本を読む習慣が身についていないと、いざ読書しようと思ってもできないんですよね。内容が頭に入ってきませんし、5分もすればすぐに眠くなってしまう人も多いと思います。
私自身も長らく読書習慣がなかったのですが、事業をはじめたことがきっかけで「本を読む」という習慣を身につけることができました。
そのような中で私自身が感じたのが「読書体力」の存在です。
「読書体力」という言葉は、私が勝手につけている「造語」です。
読書体力の存在を知ると読書習慣が身につく
読書体力とは、一般的な「基礎体力」と同じような意味で、集中して本を読むことに耐えられる時間です。
読む習慣がない人がいきなり本を読もうと思っても、読書体力がないため、
- 内容が頭に入らない
- すぐ眠くなる
という状態に陥ります。
しかし、読書体力は基礎体力と同様に、鍛えることで増やすことができます。
例えば、ジョギングの習慣がない人は、少し走っただけでも息があがりますし、しんどいと感じます。
また、足し算を覚えたての時はスラスラ解くことができないので、たった数問で疲れてしまいます。
いずれも、しんどいことなので、できれば続けたくないという負の感情を引き起こします。こうして、身につけようとチャレンジした習慣は、いつしか消えてしまいます。
しかし、「しんどい」状態を超えると、体力が付き、ジョギングできる距離が伸びたり、ストレスなく何問でも計算できるようになります。これは多くの人が過去に経験していることだと思います。
同様に、読書も最初は「内容が頭に入らない」「眠くなる」という問題に悩まされますが、続けていくうちに「読書体力」がつき、読書が苦にならなくなります。
では、どのようにすればこれらの問題を解決できるのか。
私が読書習慣を身につけるにあたって、実際にやっていたことをまとめます。
眠くなった寝る
本を読み始めると5分で眠くなるからといって、自分に読書は向いていないと思わないでください。
眠くなるのは、読書体力がないことが原因だからです。そして、読書体力は誰でも身につけることができます。
眠くなるのは生理現象なので悪いことではありません。仕事で疲れている時に本を読もうとしても、眠くなるのは必然です。
もし、本を読んでいて眠くなったら「その場ですぐ寝る」ことをおすすめします。(眠る時間は20分がおすすめです)
そして、寝て起きてから再び本を読み続けることで読書体力は養われます。
寝て起きてまた眠くなったら、すぐに20分程度の睡眠をとり、起きて再び読み始めます。
ゾンビのように読書にしがみつくことを続けるのが大切です。寝て起きてから(スマホを弄ったり)別のことをせずに、
- 眠くなるのは生理現象だと割り切ってすぐ寝る(仮眠をとる)
- ただし寝て起きてからも読書を続ける
ということをずっと繰り返すうちに、いずれ眠気はおさまり、本を読めるようになってきます。
言い換えると、「眠くなることを読めない理由にしない」ということです。
眠気が取れるまで何度でも仮眠を繰り返し、本を読むことを続けていくうちに、読書体力がつき、いずれ「本を読みはじめて5分で眠くなる」ということがなくなります。
簡単な本から読む
世の中には膨大な数の書籍が存在します。
中には、「アタリ」もあれば「ハズレ」の本もあります。
私は、「本選びは服を選ぶことに似ている」と思っています。
若い頃は服を買うセンスがないので、「良いと思って買った服を一度も着ることなく捨てる(もしくはもったいないと思って無理に着て、ダサくなる)」という服選びの失敗をよく犯します。
しかし、そのうち服選びが上手くなり、失敗はほとんどなくなります。しかし大人になっても、10着に1着ぐらいは服選びで失敗することもあるものです。
経験を積むことで失敗の確率は減りますが、どれだけ買い物上手になっても、失敗がなくなることはありません。
同じく、本を読む習慣がない人は、現在の自分にとって極端に難しい本や、わかりにくい本を買ってしまいがちです。
一方、買った本は必ず読まなくてはならないという考えがあるため、無理して読もうとし、結局「つまらない」と思って読書をやめてしまうのです。
この問題は、「難しい本はすぐにギブアップして、別の新しい本をどんどん買う」ことで解決します。
書籍は、一冊の情報量に比べて価格が極めて安い商品です。
もし、自分に合わない本(今の自分には難しすぎる本)だと思ったら、すぐにギブアップして構いません。読めなかった本は捨てても良いですし、ネットで売っても良いと思います。
最初に買った本が難しすぎたからといって、読書をあきらめず、自分に合う本が見つかるまで何度でも新しい本を買ってください。
「本を買う、読めないので捨てる、別の本を買う」これを繰り返していると、そのうち自分でも読める本が見つかります。
まずは読める本から手をつける。しかし、読める本に出会えるかどうかは運次第なので、運悪く読めない本にあたっても、あきらめずにクジを引き続けることが大切です。
読書体力は確実に身につく
- 眠くなったら寝て、起きてからすぐ読み続ける
- 本で失敗してもあきらめずに買い続ける
そうしているうちに、読書体力が身につき、簡単な本なら何時間でも読めるようになってきます。
ある程度「読書体力」が身についても、今の自分のレベルより難しい本を引いてしまったら眠くなりますし、読めない本を無理に読もうとしても身になりませんので、早々に手放した方が無難です。
世の中には、ある分野の基礎知識がなければ到底読めない本が山ほどあります。そのような本を「ベースの知識」を持たないまま読もうとしても、無理な話なのです。
「名著と言われている本だから、先輩がすごくいいと言って貸してくれた本だから。」
たとえそのような本であっても、読書体力やベースの知識がない段階で読んでも苦労するだけです。
重要なポイントは、「読む苦労と実入りの大きさは比例しない」ということです。
今の自分にとって難しい本は、読書体力やベースの知識を身に着けた後で再チャレンジすることで、簡単に読むことができ、内容もきちんと理解できるので、実入りも大きくなります。
登山に例えると、何一つ装備を持っていない、体力もない人がいきなりエベレストにチャレンジしても、登ることはもちろん、「過酷」以外に得るものはありません。
数多くの経験と装備があってはじめて登ることができ、そこで多くのことが得られるのです。
読書体力は一段ずつのステップアップです。まずは自分でも読める簡単な本から、とにかくたくさん読んでいくことで、自然と読書習慣は身につきます。
読書習慣が身につくと、ページ数の多い本も読めるようになりますし、やや専門的な難しい本も読めるようになります。
今の自分のレベルにあった本を選択する(選択できるまでクジを引き続ける)というのが、何よりも大切です。
最後に、最初のうちは本の購入で失敗することも多いと思いますが、決して「お金がもったいない」とは思わないでください。
服と同じく、買い物は数多くの失敗を重ねて上手になっていきます。これは本でも同じです。
失敗本をどれだけ掴んでも、1冊の良い本に出会うことができれば十分お釣りがくる。書籍とは、それくらいコストパフォーマンスに優れた商品なのです。