はてなのこたえ

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「レジにてさらに30%OFF」の数字マジック

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以前、旅行で軽井沢のアウトレットモールに立ち寄った時の話です。

とあるアウトレットのお店で、様々な商品に「50%OFFの札」が付けられていました。

私が「50%OFF」の札がついたベルトを見ていると、お店の店員さんが寄ってきて、私に一枚のカードをくれました。

このカードを見せると、レジにてさらに30%引きさせていただきます。

そのベルトには最初から「50%OFF」の値札がついているのですが、店員さんにもらったカードを持っていくと、そこからさらに「レジにて30%OFF」になります。

結局、私はベルトを買い、今でも愛用しているのですが、この販売方法には、ちょっとした数字のマジックが存在します

2つ合わせても80%OFFにはならない

この販売方法で、仮に1万円のベルトがいくらになるのか計算してみてください。

「50%OFFの札」と「30%OFFのカード」があると、一瞬「50 + 30 = 80%OFF」と計算してしまいがちです。つまり、1万円の商品が2,000円で買えるように感じてしまいます。

しかし、ここに数字のマジックがあります。

実は、この手の販売方法では、

  1. まず最初に50%OFFにする(1万円が5,000円になる)
  2. 値引きした5,000円からさらに30%OFFにする(5,000円の30%引きは3,500円)

という計算をするため、実際は1万円の商品が80%OFFになるわけではなく、65%OFFにしかなりません

お買い得であることに変わりはないのですが、「レジにてさらに」にはそういう意味があるわけです。

ちなみにこの計算では、

  1. 最初に30%OFFの札を付けておく
  2. レジにてさらに50%OFFにする

という方法をとっても、計算結果は同じです。

レジにてさらにポイント10%上乗せ

計算方法や双方の認識を変えることで、結果は異なるものになる場合があります。

例えば、元から「ポイント10%」という札が付いている家電があったとします。店員さんが寄ってきて、「レジにてさらにポイント10%加算」というカードをくれました。

一般的な認識では、「10%+10% = 20%のポイント加算になる」と思うのが普通です。

しかし、もしかすると、ここでいう「レジにてさらにポイント10%加算」とは、「10%のポイントに対してポイントを10%上乗せする」という意味であるかもしれません。

1万円の家電に対して20%のポイントが付けば、2,000ポイントが貯まります。

しかし、「10%のポイントに対してポイントを10%上乗せする」という解釈だと、ポイントは11%、つまり1,100ポイントしか貯まりません。

ポイント10倍は何パーセント引きに相当するか

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クレジットカードやポイントカードでよく使われる数字のマジックが「ポイント10倍」というものです。

私たちは無意識に、「1ポイント=1円」・「ポイント還元率1%」という認識を持っています。

しかし最近は、基本的なポイント還元率が0.5%に設定されているクレジットカード・ポイントカードも結構多いです。

基本的なポイント還元率が0.5%の場合、

  • ポイント10倍は還元率5%(つまり実質5%OFF)に相当(0.5 × 10 = 5)
  • ポイント20倍は還元率10%(つまり実質10%OFF)に相当(0.5 × 20 = 10)

となっており、実は「ポイント10倍」は消費税の還元にもならないのです。

「ポイント10%」という書き方ではなく「倍数」で表記することでお得感を演出する方法は、結構使われています。

また、1ポイント=1円ではないケースも稀ですが存在します。