採用面接のとき、私が必ず聞く質問があります。
「10年後・20年後にどうなっていたいか、何をしたいか、将来のビジョンやキャリアプランはありますか?」
この質問に答えられる人はとても少ないです。
無理もありません、もし昔の私が面接を受ける側だったら、おそらく答えることはできなかったと思うからです。
具体的な目標や、自分の進む道がはっきりしていないと、人はすぐに寄り道をしてしまう生き物です。
右に行ったり、左に行ったり、それが人生の醍醐味だと言う人もいます。
しかし、もしその道が1本のまっすぐな道だったら、とてもとても遠いところまで行ける可能性があるのです。
何の目標もないまま、右に行ったり、左に行ったり、寄り道ばかりの人生だったけど、気づくとプロ野球選手としてメジャーリーグで活躍していた。このような人は過去に一人もいないでしょう。
10年後・20年後の目標が描けない場合は、3年・5年の目標でも構いません。
目指す方向性が何もない状態よりも漫然としたビジョンを、漫然としたビジョンよりも具体的な目標を設定することを、私はおすすめしています。
ここで言う目標は、「目的」や「夢」、もしくは「計画」と言い換えてもよいでしょう。
Googleの元CEOであるエリック・シュミットも、Amazonの創業者であるジェフ・ベゾスも、みな一様に「長期的な視点で考えたり、計画を練ることの大切さ」を語っています。
将来の結果として、自分の予測が外れたり、自分の思い通りにいくかどうかは重要ではありません。大切なのは、自分自身が進むべき方向性をはっきりさせ、それを見失わないことなのです。
自分の中にはっきりとした軸を持つことができれば、外部からの誘惑に負けてしまうこともなくなります。
優先度の高い目標と、そこに注ぐ時間の量を比例させる
採用面接で「将来、何をしたいか、どうなっていたいか」という質問に答えられた人には、続けてこのように聞いています。
「今、それに向けて少しでも着手していることがあるか?」
すると、すべての人が「いいえ」と答えます。
多くの人が、なんとなく目標を持つことはできても、そこに多くの時間を注ぐことができていないのです。
言い換えるならば、多くの時間を、優先度の高い目標ではないことに浪費してしまっているのです。
本来なら、最も優先度の高い目標と、そこに注ぐ時間の量が比例していることが、理想的な時間の使い方です。
当たり前のことのように思えますが、日々の生活の中でつい忘れてしまいがちなことでもあります。
私自身、自分の実現したいことと、そこに注ぐ時間が一致していない状態になってしまうことがありました。
「将来こうなりたい、こうしたい」という目標を掲げても、いつの間にか、それが「ただの絵に描いた餅になってしまっていた」ということはないでしょうか。
将来の目標を持っている人は、「今、それに向けて少しでも着手していることがあるか」、そして「そのために大半の時間を注げているか」を確認してみてください。
優先度の高い目標と、そこに注ぐ時間の量を比例させる。そして、それが実現できているか定期的に確認することは、目的を見失ってしまうのを防いでくれます。
自分にとって大切なことを絞り込む
投資家のウォーレン・バフェットは、ある日このようなアドバイスをしたそうです。
- この先数年、または死ぬまでに達成したいことを25個書き出す
- その中で特に重要なものを5つ選んで◯をつける
- トップ5を達成するまで、◯をつけなかった20個の項目のことを考えてはならない
参照:投資家ウォーレン・バフェットに学ぶ「人生で本当に重要なこと」の見つけ方
バフェットが言っていることも同じです。
自分にとって優先度の高い目標を設定することで、大切なことを絞り込む。大切な少数の目標に時間を注ぎ、それ以外のことはやめる。
自分の目標とそこに注ぐ時間の量が比例していれば、おのずと目標は達成されるでしょう。