かつて、アルベルト・アインシュタインはこのように言いました。
「私は天才ではありません。ただ、人より長くひとつのこととつき合ってきただけです。」
なにか一つのことについてずっと考えてきたり、一つのことにずっと向き合ってきた人は、やがて「答えのない世界」にたどり着きます。
ここで言う「答えのない世界」とは、グレーな世界(答えが存在しない世界)という意味ではなく、「他の人がまだ達していない、独自の論理にたどり着くこと」を言います。
例えば、一般の人がアートを見ても「なんとなく凄そう」という感想しかありません。(私もアートは得意ではありません)
しかし、その道で10年くらい学んでいると、一般の人には到底見えないものが見えてきます。
また、一般の人が絶対に作れない(けどシンプルで大胆な)アート作品を生み出すことができるようになります。
それは10年間、真剣にアートと向き合うことで、専門的な知識、時代背景、巨匠から聞いた話、自分で出した答えなどが熟成され、その結果、同じ作品を見ても、一般人とは違った見え方ができるのです。
そして、1つのことについてより深く学び、より深く考えることでいずれ、自分の論理を理解できる人は減っていき、やがて他の芸術家ですら理解できない領域に達します。
これが「まだ誰もその領域に達していない論理」、つまり「答えのない世界」です。
完全な「答えのない世界」にたどり着くことは極めて困難ですが、その業界に精通してはじめて見える「少数派の世界」は、多くの人が経験したことがあると思います。
その道30年の「先輩」がクリエイティブに見えるのは、その人が「より少数派の世界」に到達しているからです。
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